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2017年9月号⑤ 第25回 日・韓・中ジュニア交流競技会 ソフトテニス競技
全日本アンダー17男女チームがライバル韓国を圧倒して3戦全勝!

8月下旬に茨城県笠間市で開かれた今大会。
日本は全日本アンダー17男女チームが参加。3日間にわたって熱戦が繰り広げられましたが、男女とも3戦全勝を飾りました。ここでは、金子知行総監督と高井志保全日本アンダー17女子監督のレポート、そして出場した2人の選手の感想を紹介します。

■第25回 日・韓・中ジュニア交流競技会 ソフトテニス競技

期間/2017年8月25日~27日
場所/茨城県・笠間市総合公園テニスコート

日本選手団 男子
上岡 俊介、広岡 宙、林 湧太郎、山根 稔平、北本 達己、根本 大地
日本選手団 女子
竹田 真樹、島津 佳那、小松 芹奈、下江 遥花、土井 あんず、片野 理音

1日目 男子 日本1勝、韓国1勝
    中国1敗、茨城1敗
  女子 日本1勝、韓国1勝
    中国1敗、茨城1敗
2日目 男子 日本2勝、韓国1勝1敗
    中国2敗、茨城1勝1敗
  女子 日本2勝、韓国1勝1敗
    中国2敗、茨城1勝1敗
3日目 男子 日本3勝、韓国2勝1敗
    中国3敗、茨城1勝2敗
  女子 日本3勝、韓国2勝1敗
    中国3敗、茨城1勝2敗
日本男女、プレッシャーをはねのけて快勝

総監督 / 金子 知行

「第25回 日・韓・中ジュニア交流競技会」は、8月24日(木)から28日(月)まで茨城県で開催された。
本競技会は、日本・韓国・中国の青少年がスポーツを通して交流し、相互理解を深め、競技力の向上を図ることを目的とする。
第1回競技会は、1993年に福島県で開かれ、第10回から11競技が行われている。高校生世代では珍しい複数競技の国際的な競技会として発展している。全競技とも日本・韓国・中国・開催地選抜の4チームが参加をする。開催会場は3ケ国の持ち回りである。日本選手団は、各競技の国内大会で好成績を収める高校生のトップレベル選手で編成されている。過去の大会参加者は、後にオリンピックなど国際大会で活躍をしている選手も多い。
ソフトテニス競技は4チームのリーグ方式で行い、各対戦「複・単・複・単・複」の5試合を戦う。チームは6名で編成され、複・単の重複出場が認められている。日本チームは、全日本U-17から選抜された選手で、高校ソフトテニス界のトップアスリート12名である。
日本開催の今回は、食事、水、コートサーフェス、治安などを気遣う心配がない。日本チームは、会場の笠間市総合公園コートで事前合宿を行った。チームとして一体感を持ち、万全の態勢で競技会を迎えた。
選手たちは、自信みなぎる溌剌としたプレーで戦い、素晴らしいパフォーマンスを繰り広げた。接戦が予想された韓国戦も危なげなく勝利し、男女とも3戦全勝を飾った。
「日本代表としての自覚と責任を意識する。様々なプレッシャーを跳ね除け、伸び伸びとプレーし、確実に勝利する」。選手の長所を引き出した男女両監督の采配は見事だった。
最終日の閉会式「フレンドシップ交流会」では、日本選手団の全競技を代表し、ソフトテニスの12名がスタンツ(出し物)を行った。3分間のダンスパフォーマンスで会場は大いに盛り上がった。
本競技会の貴重な経験を生かし、今後、選手たちが、より一層の人間的成長を遂げることを期待している。そして、様々な国際大会で大活躍してくれることを願っている。

他国のテクニックや戦術、文化や考えにも触れることができた3日間

全日本アンダー17女子監督 / 高井志保

「第25回日・韓・中ジュニア交流競技会」が今年は茨城県で開催され、ソフトテニス競技には全日本アンダー17のメンバーから男女6名ずつ12名が参加させて頂いた。
普段、所属がバラバラ(今回は特に女子)な選手達がひとつのチームとしてまとまるため、22日から24日まで茨城県で直前合宿を行って、25日からの競技会に挑んだ。直前合宿から競技会に至るまで茨城県のソフトテニス連盟の方々には大変お世話になり、本当にありがたく、感謝の気持ちでいっぱいになった。

初日に日の丸をつけて戦う緊張感を肌で感じた対中国戦

初日の25日は中国戦が行われた。24日の公開練習の様子を見ていると、前回の日韓中の中国の選手と比べると数名あきらかに体格の良い選手がみられた。
中国の男子の選手とシングルス練習を行っているところを前日に見ていたが、とくにサービスは威力があり、手足も長くリーチもあったので、気を引き締めて試合に入らなければならないと感じた。前日のミーティングで選手ともそのことを確認し、当日もしっかりとウォーミングアップを行い試合に臨んだ。
やはり予想していたように、シングルスはここ数年の中国の戦いと比べレベルが高かった。特に先にシングルスに出場したWang YuFei選手は硬式スタイルの戦術でバランスもパワーもあった。小松選手が対戦し、前後の揺さぶりやわかりにくいフォームからのレシーブの攻撃などで流れを戻し勝利したが、今後ソフトテニスの特徴をしっかりおさえて強化してくると怖い存在になると感じた。
対戦としてはその体格の良い2名が絡んだ試合以外はまだまだキャリアが浅い選手であったため、危なげなく勝利。けれど、初日に日の丸をつけて戦う緊張感を肌で感じて、より自覚を持って行動していたように思う。
試合後には遠慮しながらも同じ高校生がソフトテニスを通じ、国を越えて交流する姿か見られとても微笑ましかった。

自分の持ち味を生かした立派な戦いぶりを見せた対韓国戦

26日は韓国戦が行われた。事前合宿の時から、「日・韓・中がアンダー17の選手から選ばれる意味」について伝えていたので、選手たちにとってソフトテニスの国際大会で活躍するためには韓国の存在が大きいことは理解していた。前日のミーティング後のコンディショ二ングチェックシートには、それぞれの強い意気込みが書かれていた。
当日の朝はウォーミングアップから集中して行っていた。第1ダブルス。日本のオーダーは下江・島津ペア。去年も日・韓・中のメンバーに選ばれている2人を一番に起用。今年は自覚が芽生え、ただ経験するだけではなく、どういう戦い方をして2番につなげなくてはならないかを考えて入っていた。
その思いがかえって彼女たちの動きを固くしている場面も見られたが、一進一退の攻防の中でここぞという時に攻めることができていたことに成長を感じた。まだまだ自分で流れを切ってしまうような間の取り方をしてしまったり、たたみかけるようなネットプレーができない場面もあったが、最後まで熱い気持ちを持ってやりきってくれたので、この⑤-4の勝利は日本にとって大きかった。
第2シングルスは片野選手。前日の韓国対茨城戦のシングルスを見ていたので、スピーディーな展開を予想していた。片野選手は持ち前のフィジカルの強さを十分に生かし、相手よりもさらに上回るアップテンポで先に先に仕掛けてポイントを重ねた。相手も粘りを見せ2ゲームを挽回したが、片野選手が最後まで押し切り④-2で勝利した。3番につながる力強いシングルスであった。
3番目のダブルスは竹田・小松の2年・3年ペア。竹田選手は2年生で日・韓・中も初選出であるが、本当に思い切りのよいプレーを連発。常に攻撃し、相手の攻撃を封じていた。小松選手も竹田選手のコースを散らす配球にすばやく反応し、相手の逃げ道をなくし、ミスを誘った。後半はサービス・レシーブでも攻撃し、⑤-2で勝利。ここで対戦としての勝負を決めた。
第4シングルスは下江選手。もう一度、「プライドを持って戦おう」と気持ちを入れ直し、コートに立った。応援も一つになり、少しの隙も与えず堂々としたシングルスを見せ④-0で勝利。第5ダブルスは片野・土井ペア。自分達のペースを崩さずひとつひとつポイントを重ね、少しずつ流れを引き寄せ最後は片野の力強いストロークと土井の堅実なプレーで締めくくり⑤-2で勝利した。
最初こそ硬さが見られたが、それぞれが自分の持ち味を生かした立派な戦いぶりだった。

先手で攻めて相手に攻める機会を与えなかった対茨木戦

27日は地元茨城チームとの対戦。直前合宿でも一緒にプレーして、元気のある生き生きしたチームだ。同じ世代であり、国内で対戦したこともある選手もいたので、とにかくこちらが向かっていこうと話し合い、試合に挑んだ。
第1ダブルスは竹田・小松ペア。「向かっていく」の言葉通り、先手先手で攻めていき、対韓国戦と同様、相手に攻める機会を与えなかった。竹田選手の配球に小松選手がよくからみ、⑤-0で先勝。
続くシングルスでは逆に向かってこられ、茨城チームの矢島選手に片野選手が一気にリードされる。追い上げを見せるが突き放され1-④で敗れた。
第3ダブルスの下江・土井ペアの声を出したプレーで勢いを取り戻した日本チームは⑤-0で田中・富森ペアに勝利。
第4シングルスの竹田選手も先手先手で攻め金子選手に④-0で勝利。最後は片野・島津ペアがきっちりと⑤-1で勝ち切り、茨城チームに勝利した。
試合後は同じソフトテニス頑張る高校生同士、お互いを讃え合うように笑顔で交流していた。

今回は日本開催ということで、「異国で生活する・プレーをする」という機会はなかった。 しかし、ホスト国として茨城の人々の温かさを感じながら海外の選手と対戦したり、交流したりすることで他国のテクニックや戦術、また、文化や考えにも触れることができた。
競技最終日に行われたフレンドシップ交流では、茨城の高校生による演目で茨城の歴史や文化を学んだ。また、ソフトテニスのメンバーは今回出し物をする競技にあたっており、参加国全選手の前でダンスを披露するという経験もすることができた。堂々とやりきり、楽しい思い出となった。
茨城県をはじめ関係者の方々に心より感謝致します。本当にありがとうございました。

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