Profile photo of 日本ソフトテニス連盟
日本ソフトテニス連盟 さんが 2018年6月11日 に登録
2018年5月号② 全日本アンダー17女子チーム強化合宿報告(1)

4月中旬に三重県鈴鹿市で行われた全日本アンダー17女子チームの合宿。髙井監督から詳しい報告が届いたので紹介します。

■全日本アンダー17女子チーム強化合宿

期間/2018年4月8日~4月13日
場所/三重県・鈴鹿市 三重交通G
   スポーツの杜 鈴鹿

監督/髙井 志保
トレーナー/小亀 裕美
選手/20名

合宿のテーマ

前回に引き続き、U-17女子チームの合宿テーマ「『先見の明』~先を見越す力を身に付ける~」という大きいテーマのもと、今回はそれをさらに深め、先を見据えた上で今やるべきことを正しく選択していく力をつけるというテーマをプラスして合宿に取り組んだ。


■4月8日(日)

〈午後〉
・13時 集合
・トレーナーによるウォ―ミングアップ。
・13時半 三重県ソフトテニス連盟 天野理事長挨拶

練習に入る前に前回の合宿で課題として上がったいくつかのポイントをもう一度伝え、その中で「入りの意識・切り替え速度(2秒を意識)・抜く、固める(フィジカル面では筋肉のこと、メンタル面ではリラックス、緊張のコントロール)」の3つを特に意識して最初のラリーに入った。

・ショートラリー
・ロビング、フォア・バック
シュート7分3回 2分・3分・2分で声かけ(前半・中盤・後半それぞれの自分の状態をチェック)
・休憩
・後衛→後ろからボールを投げて(低めのトス)伸びてこない球を攻める練習。足首、股関節をやわらかく使い、面が前に出るように。
クロス→クロス・逆クロス→逆クロス
ラリーの中でも自分で押し込んでいて、相手が遅れて回転数が減ったボールに対して自分からテンポをあげていくことができていない場面が多く見られたため、(特にハードコートはボールが止まる)この練習で引きつけ過ぎない打ち方を確認。

・前衛→ローボレー練習。
コート半面で左右に振って膝、足首、股関節をやわらかく使い、リーチを出すことを意識。フォア・バック10本 時間で区切って時間内は何度でも。
次に左右に振る距離は短くして、直線的なスピードボールで上げボール。パワー負けしないように膝・足首を固める。
フォア・バック10本 同じように時間で区切る。最後に、足もとのボールと直線的なスピードボールを混ぜて上げボール。フォア・バック10本。
スピードのある球は、角度は少ないがパワーがある。角度のついた球は、パワーは落ちるがリーチが必要。
各球種によって体の使い方は違うことを理解して意識して行う。

・休憩
この日は大会などと重なり人数が少なめであったため、この後ゲームを実施。
ゲームの序盤でやはり探り合い(戦術的なものではなく、コミュ二ケーションなどの問題において)が見られたため、ゲームを止めてもう一度「入りの意識・切り替え速度の重要性」を再度確認。
日本人の常識の範囲内で無意識化の中でやっている行動であるため、意識して気づいていく必要があると感じた。

・トレーナーによるクールダウン
・19時 夕食 
・20時 ミーティング 
ミーティングではまだ選手が全員揃っていなかったため、合宿の全体のテーマを確認し、主にこの日に出た問題点について話をした。


■4月9日(月)

〈午前〉
・7時散歩 
・7時半朝食 
・8時10分出発
・トレーナーによるウォ―ミングアップ

練習の前に前日の反省と今回のテーマを合わせて、先を見据えた上で今何をすべきかを正しく選んでいくためにどうするべきかの話をした。
まずは逆算できること、そして、多くの選択肢の中から選んでいくためには、「捨てること」も大切であるということについて話した。
あとは実行力。選択して実行するためには「自らの決定に自信を持つこと」。
キャリアがなければなかなか自信を持てないだろうけれども、その都度、瞬間瞬間は自信を持って実行する。
そこでの失敗や成功がキャリアになり、自分のデータとして積み重なっていく。
まずは今の世代で選んで実行すること。恐々ではなく自信を持って、これが大事ではないかと提案した。

・ラリー、サーブレシーブの後、ハードコートでシングルスゲームを1人2~3試合行った。
・トレーナーによるクールダウン

〈午後〉
・トレーナーによるウォ―ミングアップ
練習に入る前に午前のゲームの問題点について話した。しんどい時、うまくいかない時に切り替えられていない。
その時に自分の本当の姿が見える。そこに注目してまず自分を知ること。
午後からはダブルス中心にゲームをする予定であったので、各自で調整の時間を作った。
試合前に時間を与えると、とにかく打感の調整に時間を割く選手が多い。
打点(近い・遠い・高低・前後)のバリエーションの確認や、体さばき(フォームの変化に対応)などの確認を普段のゲーム前も取り入れるべきと指示した。
午後も1人2~3試合を予定。ダブルスではペアに『○○を絶対にやりきる』という約束をして入ることにした。各選手、2~3試合実施。

・トレーナーによるクールダウン
・19時 夕食
・20時 ミーティング
ミーティングではこの日のゲームを各自で振り返り、レポートにまとめた。


■4月10日(火)

・7時散歩 
・7時半朝食 
・8時散歩

朝食後、提出物の丁寧さへの注意をした。 
誤字、脱字、走り書きが見られた。スタッフとのコミュニケーションスキルのひとつ。いくらそれらしいことを書いていても、誠実さが伝わらない。
そういう選手はペアとのコミュニケーションをはかるのも苦手で、試合中の集中力も続かない選手が多い。
SNSなどでスタッフ・選手のコミュニケーションをとる方法も近年増えてきているが、こういう自分の改善点を知るためにもこの世代では便利さだけでは見えてこないものもあると改めて感じた。

・トレーナーによるウォ―ミングアップ
・11時半までトレーナーによる体力測定
・11時半~ ショートラリー、フォアロビング、バックロビング、フォアシュート(7割の力)対バックハンドのロビングのラリー、シュートラリー5分3回、サービス練習10分間
練習中にもっと自分を疑い、試合中にもっと自分を信じてプレーしていこうという目標をここでプラスすることにした。

・トレーナーによるクールダウン

〈午後〉
・ウォ―ミングアップをしてからゲームのための調整練習へ。それぞれ目標、目的を持ってひとり3~4試合、ダブルスゲームを行った。
・トレーナーによるクールダウン
・19時 夕食 
・20時 ミーティング
この日のミーティングでは自分自身のゲームの振り返りをして、この日に感じたことについて話をした。目標、目的の矢印の方向を考えるということについて。
目の前のことを頑張っていれば、言われたこと、与えられたことを頑張っていれば何かいいことが起きる、誰かがどこかへ連れて行ってくれる、うまくなれる、強くなれる、と考えるのではなく、こうなりたいから、これを成し遂げたいからこれをやるんだという矢印の方向、これが大事なのではないかと。
環境に身をゆだねるのではなく、自ら環境を利用して成し遂げていく考えを今のうちから持っていてほしいと思う。


タグ: ,,, 

コメントを書く

コメントを投稿するには ログイン して下さい。