2月中旬に三重県四日市市でナショナルチームと全日本アンダー女子チームの合同強化合宿が行われました。ナショナルチームと全日本アンダー17女子チームの詳しい報告が届いたので紹介します。
■女子ナショナルチーム
期間/2019年2月8日~13日
場所/三重県・四日市市 四日市テニスセンター、四日市ドーム
監督/斉藤 広宣
コーチ/菅野 創世
トレーナー/桑原 亜香音
選手/18名
【合宿の目的】
・ナショナルチームとしてのテーマである「自分を変える」ことを追及した合宿にする。
・ゲーム中に発揮できる引き出しを多く作る。
・国際大会を見据えて取り組む。
【活動内容】
斎藤監督より合宿の始めにテーマを掲げ、トップレベルの選手らが集い相乗効果により高め合える環境にある中であるからこそ初めて得られる「自分」に対して見つめ直しながら合宿中行動していただいた。
プラスとマイナス両面においても現実をしっかりと受け入れ改善していこうという姿勢はみられていた。チームではあるが、やがてはライバルとなるチームメイトと刺激し合う事が「何が足りないか、何が長けているのか、今後どう成長したいか」を気づかせてくれる。咄嗟の判断でゲームを展開する上で必要な判断力などは日頃よりトレーニングを積み重ねなければ瞬時に発揮されない、だからこそ、この合宿中に大会と似たシチュエーションを設け選手らに考え判断させ、戦術、顔色、表情が与えるゲームの影響などといった引き出しを増やす機会を作り実践していただいた。
理想の戦術のためには自らの身体の改良も重要と考え、ハードなフィジカルトレーニングも追加した。日本トップレベルとなるとスポーツ時の身体の働きや仕組みについても十分に理解する必要がある。知っておくべき身体の知識を深めるため、テスト形式で解答していただき得点で分かりやすく伝えた。
【合宿の成果】
身体の効率の良い使い方、操り方というものを、ラケットを持たずダンベルやチューブなどのグッズを取り入れつつトレーニングするのと共に、コート内でボールの着地点にいかに高速で移動できるかを想定した走行を腕にヘアゴムを引っ掛け意識しやすくし、振り方や腕のポジションを身につけた。腕の振りは推進力となり、下肢のモーター力を一層高めることができるのだ。
陸上での走行や負荷の高い体幹の筋力トレーニングを行いつつ、硬式ボールを用いて相手が投げたボールにすぐさま手を伸ばし、足を動かしキャッチするなどの反応系やボールの上に乗りわざと地面を不安定にし、その上でバランスを保ちつつフォアハンド動作をしたりするバランス能力など、より一層体幹を意識させることも行った。実際にラケットを持ち打球までの一連の流れや打った感覚、相手の返球への反応が改善されたと聞く。試合中のめまぐるしく変わる状況に応じた動きを様々なトレーニングにて高めることができた。
チームテーマの「自分を変える」に対しても、選手らは真剣に思いをコンディショニングシートなどで明確に書き記し、スタッフ側でも共有できた。モヤモヤ湧いてきた思考は、文字にしたためることで落ち着いて気持ちの整理と客観的な理解ができるので、今後も大切に続けていきたい。
【今後の課題】
選手らは自立心がとても高く、当たり前のことはこなせるので、そのワンランク上のレベルの視点で接していきたい。合宿中に得た知識やトレーニング法を所属先でも自分なりに続け精度を高め、共有し合った良きライバルから感じたことなどをモチベーションの弾みに変え、常に高みを見つめ目指せる者こそ日本のトップレベル選手といえる。
ソフトテニスに限らずどのスポーツ競技においても共通であり、その心には競技への愛や情熱や強い覚悟を誰よりも大きく持ち続けてほしいし熱く燃やしてほしいと願う。
競技に必要な精神論、身体論なども大事だが、強い選手とは何だろうか。少なからず日常から溢れるものもあるのではないかと考える。挨拶、思いやる心、気配り、整理整頓など。細部にまで気づけるということは、コートの中でも有利な視点となるだろう。
次回の合宿では更なるトレーニングの実施、遂行、チーム全体のレベルアップ、そして選手である前に「人」としての成長もしていただきたいと思う。
私もチーム組織に携わることは初めてだったこともあり未熟ながらも監督やコーチ、代表選考メンバーと過ごしたことを誇りに感じ、世界の頂点へ繋がる道を支える役割の身として共に歩み続けていきたい。
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