4月上旬に福島県で全日本アンダー17男子チームの強化合宿が行われました。詳しい報告が届いたので紹介します。
■全日本アンダー17男子チーム 強化合宿報告
期間/2019年4月10日~14日
場所/福島県・白河郡棚倉町 ルネサンス棚倉リゾートスポーツプラザ
監督/池田 征弘
コーチ/高橋 茂
トレーナー/兼平 智孝
選手/19名
【合宿の内容】
・フットワーク強化。動き出しのタイミング・リズム
・シングルス。ディレイドプレーを知る
・オン・オフコートにおける人間力の向上
・自主性の向上
・ショット後の時間の使い方
・ハードコートにおけるダブルフォワード対策
・ダブルフォワードの戦略(ベースラインからの戦い方)
・バックハンドの非利き手の使い方
・「Functional Movement Screen」を用いた個別身体機能評価とコレクティブエクササイズ
・「Functional Capacity Screen」を用いたパフォーマンス評価とフィジカルトレーニング
・バックハンドストロークのための胸郭モビリティ改善・向上トレーニング
【合宿の成果】
将来の日本代表として、各国際大会で活躍するためのビジョンを掲げながら過ごすことができた。
世界ジュニアでの課題として、浮き上がったシングルスのディレイドプレーに時間を割いた。
チェンジオブペースを意識させて、チャンスを見極め前へあがるプレーができるようになった。
ダブルスのダブルフォワード対策として、ポジションを一瞬一瞬で変化させること・相手の状況に応じて判断決断できることに挑戦した。
ミーティングでは、レスリング・サッカーのトップアスリートのドキュメンタリー番組を鑑賞させて、それぞれモチベーションアップを図りながら、大きな学び・刺激を与えられることができた。1人の人間として1人のアスリートとして成長していけるよう学ぶことが多かったようだ。感想や彼らの顔色・雰囲気が変わったので、良い影響を与えることができた。
フィジカル面では、今年から新たに「Functional Movement Screen」を用いて、これまで明らかにされていなかった個々の動作機能不全を見つけ、動作パターンを改善するための個別エクササイズ処方を行った。既存のパフォーマンステストでは見つけられなかった個々の機能不全箇所の改善を行うことで、技術・戦術の伸びしろを増やすことができ、ひとつ上のレベルでプレーができるようになることを期待している。
また、「Functional Capacity Screen」では、パワー、エネルギーリストア能力、姿勢保持能力、四肢の運動制御の左右非対称性を明らかにしたことで、「パワー優位タイプ」「力優位タイプ」「バネ力」「四肢と体幹コントロール力」を見ることができ、選手個々の技術的な悩みの原因に対して明確に客観的な立場からアドバイスを与えることができた。
【今後の課題】
ひとつひとつの技術は高くて、チームとしての戦術練習も行うことができたが、スピード不足が気になった。フィジカルの弱さではなくて、自分で早くリカバリーをする。打った動作から次の動作の準備が始まるということをもっと落とし込みたかった。
また、ハードコートになるとパフォーマンスが明らかに下がった選手や結果が伴わない選手がいたことを感じて改めてサーフェスへの慣れの必要性を感じた。前回の四日市と今回の棚倉でともにハードコートを経験させることは良かった。フィジカル面では、測定において測定機材・検者数の制限もあり、測定に多くの時間を要したことで、フィードバックに費やす時間が少なくなってしまった。なるべく効率的に測定を終えるための工夫が必要である。
また、年間合宿回数が2回しかない中で個々の能力を向上させてあげるためには、2月合宿時点でFMS/FCSを行い、2回目合宿時に改善度合いの把握や個別対応に時間を割くことができるとより効果的であると感じた。
【謝辞】
寒の戻りもあり、降雪に見舞われた合宿初日となりましたが、室内インドアコートも手配して頂き、素晴らしい環境で合宿を効果的に進めることができました。国際大会に向けてハードコートにおけるフットワークの向上を意識させたトレーニングを繰り返すことができました。福島県ソフトテニス連盟の方々には、事前準備も含めてお世話になりました。ありがとうございました。
全日本アンダー17男子チームの選手とスタッフ
合宿期間中の練習の様子
記事提供:日本ソフトテニス連盟<機関紙2019年6月号より>
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(写真提供:ベースボール・マガジン社)
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