前回は審判についての心得をお話しいたしました。今回は、審判とも大きく関係する競技についてのお話をしたいと思います。大会を円滑に開催するためのルールを作り、それに従い大会を実施していく部門が競技ということになります。皆さんには、大会がスムーズに開催されるため、今後、是非注意していただきたいことなどをご紹介します。
(文・競技委員長 安藤正美)
大会要項には大会の日程や、参加資格、服装についての注意事項などが書かれています。
日本連盟主催の一般男女の団体戦は「年度の途中で所属団体が変更となった場合は、その年度の団体戦には出場できない」ことなども大会要項に書かれています。会員登録の際にも十分注意が必要です。
会場受付では、「選手変更届受付」で承認された後に、選手受付を行いましょう(シングルスの場合は、選手変更はできず棄権となります。なお、大会によっては変更できる期限がありますので十分注意してください)。
また、一般男女の団体戦の場合は、最初の申し込みメンバーからの変更や追加は2名以内となります。
大会に行くと、開会式で「競技上の注意」が発表されます。それぞれの大会で異なりますので、よく聞いて理解してください。
ソフトテニスには、ダブルスとシングルスの種別があります。違いは、ダブルスがプレーヤー2名で、シングルスは1名のみで構成。あるいは、コートの広さが異なることであり、競技規則はどちらも同じとなります。
(1)整列をしましょう
相手のペア、自分のペアともサービスラインの外側中央に立ち、ネット方向に向かい合い整列します。
(2)挨拶をしましょう
- ①正審の合図によって、プレーヤーがネットまで進み、双方で挨拶をし、次にアンパイヤーと挨拶をかわします。
- ②挨拶が終わった後に、正審からプレーヤーの確認がされます。
(3)トスをしましょう
- ①ペアの片方のプレーヤーが「ジャンケン」を行い、負けた側がラケットの公認マーク(表側)を相手に示してラケットをコート上に立てて回します。
- ②ラケットが静止するまでに、ジャンケンで勝った側が「表」か「裏」を言います。
- ③言い当てた場合は先取権を得るので、サービスとレシーブのいずれか、またはサイドのどれかを選択します。相手のプレーヤーは、先取権を得たプレーヤーが選ばなかったものについて選択します。
- ④使用するボールが選択制の場合は、ジャンケンの勝者がボールを選びます。
(4)マッチ前のラリーをしましょう
- ①プレーヤーはアンパイヤーからボールをもらい、マッチ開始前の練習をします(アンパイヤーはその時に位置につきます)。練習時間は通常1分以内です。
- ②練習が終了すると、正審から「レディ」のコールがありますので、試合開始の所定の位置につきます。
(5)マッチを始めましょう
- ①正審から「サービスサイド●●(所属)●●・●●ペア」「レシーブサイド▲▲(所属)▲▲・▲▲ペア」「〇ゲームマッチ・プレイボール」とコールされマッチ開始です。
- ②サーバー側の1人がサービスを行い、ネットに向かってセンターマークの右側から始め、右左交互に対角線上の相手サービスコート内にボールを打ち込みます(2人のプレーヤーは同一ゲーム中に2ポイントずつ交替でサービスを行います)。サーバーは第1サービスがフォールトになった場合は、第2サービスを行います。
- ③レシーバーは、有効にサービスされたボールを、ワンバウンド後、ツーバウンドする前に打ちます。1ポイント目のレシーブはペアの内どちらかが行い、2ポイント目は1ポイント目にレシーブをしなかったプレーヤーが行い、以降はこの順序で行います。
- ④レシーブ返球後、ポイントが決まるまでラリーが続きます。
- ⑤4ポイントの先取で1つのゲームの勝ちとなります。なお、双方のペアが3ポイントずつ取った時はデュースとし、その後連続して2ポイント先取で勝ちとなります。
- ⑥サービスとレシーブはファイナルゲームを除き、1ゲームが終了するたびに相手側と交替して行い、奇数ゲームが終わるたびにサイドのチェンジを行います。
- ⑦マッチは、通常5ゲーム、7ゲームなどの奇数ゲームで行い、過半数のゲームを取ったペアが勝者となります。
- ⑧5ゲームマッチは2ゲーム、7ゲームマッチは3ゲームを双方のペアが取った場合、次のゲームをファイナルゲームとし、7ポイントの先取で勝ちとなります。
- ⑨ファイナルゲームは、2ポイントごとに相手とサービスのチェンジを行い、最初の2ポイント終了後と以降4ポイント終了ごとにサイドのチェンジを行います。
- ア. 最初の2ポイントのサービスをするプレーヤーは、それまでの順序に従い、本来サービスの権利を持っているペアのどちらか1名が行います。
- イ. 3ポイント目、4ポイント目のサービスは、サイドを変更した後に、最初にレシーブを行ったペアのどちらか1名が行い、レシーブは最初にサービスを行ったペアが交互に行います。
- ウ. 5ポイント目、6ポイント目のサービスは、最初の2ポイントでサービスを行ったペアのもう1人が行います。
- エ. 7ポイント目、8ポイント目のサービスは、サイドを変更した後に、3ポイント目、4ポイント目のサービスをレシーブしたペアのもう1人が行います。
- オ. 以降、アからエまでの順序に従い、サービスおよびレシーブを行います。
- カ. サービスやレシーブの順序はゲーム中に変えることはできません。
(6)マッチが終了しました
- ①正審が「ゲームセット」をコールし、審判台から降り、他のアンパイヤーとともにネットの傍らに集まります。
- ②プレーヤーも全員がトスを行った場所に集まります。
- ③正審が、「〇対△で〇〇・〇〇ペアの勝ち」などと勝敗の宣告をした後、プレーヤー同士、そしてプレーヤーとアンパイヤーが握手、挨拶をして解散します(大会によっては、勝者が勝敗のついた採点票を進行席に持参し、次対戦の採点票をコートのアンパイヤーまで持って行く場合があります)。
大会において、相手のプレーヤーが「不快になるような言葉」や「行き過ぎた掛け声やアクション」はソフトテニスにはふさわしくありません。「ソフトテニスマナーBOOK」が発行されていますので、是非読んでください;
ソフトテニスでは、プレーヤーの技術資格を取得することができ、等級はMa(マスター)、EX(エキスパート)、SP(スペシャリスト)、1級~4級となります(シニア資格は除く)。中学生の場合は、都道府県の中学校選手権大会などでベスト8(参加数64ペア・人以上の場合)に入れば、申請することで2級が認定されますので、モチベーションアップのためにも資格を持ちましょう。
いかがだったでしょうか。うまく試合に臨めましたか? 大会では試合を行うコートや時間をよく確認し、対戦相手を待たせることがないようにスムーズな進行に心掛けましょう。
今後の皆さんの、最高のパフォーマンスとマナーを期待しています。
ダブルスの陣形の種類は?
- ◆雁行陣形
- グラウンドストロークを得意とするベースラインプレーヤーと、ネットプレーを得意とするネットプレーヤーが役割を分担しながらプレーする陣形です。攻撃と守備のバランスがもっとも保たれた陣形です。
- ◆並行陣形(後陣)
- グラウンドストロークを得意とするプレーヤー2人ともがベースラインの後陣でプレーする陣形です。ただしポイント源が少ないので、精神的に根気強い粘りのテニスが必要とされるこの陣形は、超守備型といえます。
- ◆並行陣形(前陣)
- ネットプレーを得意とするプレーヤー2人ともが、中間ポジションか、あるいは、さらにネット近くにポジションを取ってプレーする陣形です。ほとんどの打球がノーバウンドでプレーします。超攻撃型の陣形といえます。
シングルスはダブルスとどこが違う?
- 1.コートのサイドラインが両方のサービスサイドラインをベースラインまで延長したラインになります。
- 2.サービスはファイナルゲームを除き、相対するプレーヤーが1ゲームずつ、ライトサービスコートから右左交互に行い、相手のプレーヤーがレシーブを行います。
- 3.ファイナルゲームのサービスは、本来サービスの権利を持っているプレーヤーから始め交互に2本ずつ行い、相手のプレーヤーがレシーブを行います。
- 4.マッチは通常7ゲームで行います。
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