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2020年4月号① 第1回 全日本アンダー男子合同強化合宿①

 2月中旬に三重県四日市市で全日本アンダー男子(U-20、U-17、U-14)の合同強化合宿が行われました。詳しい報告が届いたので紹介します。

■第1回 全日本アンダー男子合同強化合宿
日時/令和2年2月18日~23日
会場/三重県・四日市市 四日市ドーム

【U-20】
監督/堀 晃大
コーチ/小野寺 剛
トレーナー/中野 道治
選手/16名

【U-17】
監督/池田 征弘
コーチ/高橋 茂
トレーナー/兼平 智孝
選手/16名

【U-14】
監督/橋本 康徳
コーチ/松元 誠二
トレーナー/東 知宏
選手/20名


U-20男子の合宿

【合宿の成果

今回の合宿では、平日全てをハードコートで実施できたこと、手配いただいた三重県ソフトテニス連盟・日本連盟事務局の皆様に、まず感謝申し上げたい。近年U-20メンバーの国際大会における不本意な結果はハード・クレーへの適応時間がかかることが第一課題であり、特に国際大会仕様のハードコートでは、プレー経験がないという選手もいたりして、本年の合宿ほとんどがハードコートで行うことができ、選手・スタッフ共に嬉しい限りである。

まず初日に世界選手権のシングルス準決勝を視聴し、世界チャンピオンのキム・ジヌン(韓国)と日本のエースである船水颯人選手の分析を行った。それに伴い、練習時のフットワークやラケットワークの目的、トレーニングの目的を共通認識し、今合宿の最大のテーマとして練習・トレーニングを進めた。日ごろの癖がなかなか抜けず、継続して行える選手と集中力が欠如する選手の両極端が見受けられたが、目的・意味は理解してくれたと感じている。もがきながらステップアップしてほしい。

小野寺コーチには前衛力強化の面で、ボレー練習に多く時間をかけていただいた。選手たちからも非常に好評であり、特に「ラケットワークは習ったことがある」が、「フットワークやヘッドワークは習ったことがない、考えたことがない」という選手が多く、刺激的だったようである。U-20のみならず、男女全カテゴリーにとって前衛力アップが今後の日本ソフトテニス界の必須課題であり、非常に有意義であった。

ハードでやり慣れていない選手が多く、悩む選手がとても多かった。反面、ダブルフォワードやカット系のサービス・ショットに果敢にチャレンジする姿勢が見受けられたが、やはり精度は低く、モヤモヤ練習を進める選手もいた。しかし、「このサーフェスで戦えないことには次がない」と力のなさを自覚できた時間になったのは大きい。フィードバックをしっかりと行い、次回合宿までの課題に取り組ませたい。

【今後の課題】

各所属でいかに取り組んで2回目の合宿に仕上げて入ってくれるかが課題である。2回目もハードで行えるので、今回のフィードバックと次回合宿への課題を選手・所属と連携したい。アンダーはアンダー、所属は所属と切り離すのではなく、うまく連結できるようにしていきたい。圧倒的に他国より合宿回数が少ないので、所属や本人の理解の元、ナショナルチームが求める「オールラウンドプレーヤー」の育成について、所属先の監督さんたちとも連絡を取って、日ごろから取り組ませたい。

今合宿で中野トレーナー・小野寺コーチから重要なヒントを得たと思うが、特に身体の向上面では意識の低さが露呈した。「人間力向上」が全スポーツのテーマでもあると思うが、弱音を吐かない選手をもっと育てたい。特に長年U-20にいた選手が弱音を吐いてしまったことは、慣れている選手が故の場を和ますつもりの発言だったのかもしれないが、競争の社会では馴れ合いは不要である。競争力を推進できなかったのは監督の責任であるが、甘えた発言や行動が多く見受けられる場合は、次回合宿から外すなど、厳しいやり方ではあるが、世界を見続ける選手のみで構成されるべきである。特に人数を上のカテゴリーになるほど絞っていくなど、戦う集団の形成が今後必要だと感じた。
U-20以上はハードでの合宿を定番化したいというのが本心であり、今回は手配いただき、本当に感謝申し上げます。
是非、今後はナショナルチームとの合同練習や、国際舞台への積極的参加をお願いしたいとともに、国際大会前にミニ合宿を実施、日本代表として戦う場合にはアンダーであってもきちんとした“日の丸ジャージ”を着させて自覚をさせるなど、補助・費用面の拡大も課題であると考えます。


U-17男子の合宿

【合宿の成果】

国際大会に向けて、ハードコートでの練習も半日取り組んだ。選手には様々な陣形に挑戦させてプレーの幅を広げることへの意識を高めた。またハードコートならではのステップワーク・加速・減速・止まり方なども含めて兼平トレーナーから時間を割いて取り組んだ。
継続選手があまりいない中、新しいチームとして縦・横のつながりを意識させた。その中で日に日に選手間のコミュニケーション向上につながった。また、自分たちで課題を話し合い、課題克服に向けた練習メニューなども考えさせる時間を作り、選手一人ひとりの自主性を促せた。
シングルスでは、戦術の大きな柱としてディレイドプレー・ドロップショットに時間を割いた。シングルスの中でプレーの幅を広げるとともに、スペースの駆け引きとして使えることを考えさせた。
ダブルスでは、宮崎のステップで北本強化委員長から提示されたダブルフォワードから①カットサービス②ノーバンウドプレーの2つを的に絞って取り組ませた。ポジション・サービスからの攻撃・ペアでの連動した動きなども含めて短期間での成長が見られた。所属に戻れば雁行陣が多く、カットサービスも練習する機会が少なくなるが少しでも継続することを伝えた。
また、「なぜ人間力の向上が競技力の向上につながるのか」を脳科学的に解説したので、よりよくオンコート・オフコートでの言動を考えさせることができた。また、同世代の日本代表という自覚を植え付けることができた。

【今後の課題】

ダブルフォワード中、ボールを打たない時間の中で足が止まってしまう。より精度の高いインパクトを迎えるために、もっと「ボールを打たない時間」の使い方を身につけることができる練習を反復させたい。
相手に動かされた時にスタンスを広く保ったまま、体軸を倒さずに打てるようになることを次回の合宿で組み込んでいきたい。また、ハードコートの確保ができているのでフットワークドリルを数多くこなしていきたい。
チームジャパンとして、チームの輪を高められるような工夫を入れていきたい。ミーティングでは、トップアスリートのドキュメンタリーDVDを観る予定なので、いろいろな刺激を受けてほしい。

【活動内容】

・シングルス ステップワーク向上練習
・ノーバウンドドロップショットの使い方
・ディレイドプレーのタイミング練習
・オン・オフコートにおける人間力の向上
・オフザボールの向上   
・自主性の向上
・アンクルホップからのスプリットステップ
・ブレインストーミングでのコミュニケーション
・ハードコートでのフットワーク全般
・トレーニング

・HIIT(High Intensity Interval Training)
・High/Middle/Low power training(各種エネルギー供給システムの強化)
・Strength training(上肢、下肢、体幹の筋力トレーニング)
・Movement training(減速、加速、切り返しのフットワーク、身体の使い方)


202004_01
U-17の合宿では様々なトレーニングを行った。写真はメニューの説明。

写真提供:ベースボール・マガジン社

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