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日本ソフトテニス連盟 さんが 2019年8月16日 に登録
2019年8月号③ 第18回 チャイナカップ国際ソフトテニス選手権大会②
大会を振り返って

◆ハードコートの特性を活用して攻めてくる海外選手への対策を痛感
日本選手団団長 野際 照章

6月12日から16日まで、中国・台州市に於いて第18回チャイナカップ国際ソフトテニス選手権大会が開催され、我が国から男女合わせて12名の選手が参加しました。
大会では男女別の国別対抗、シングルス、ダブルスのほかにミックスダブルスも実施され、我が国は全ての種別に優勝し、今年10月に当地で開催される世界選手権に向けて幸先良いスタートを切ることができました。
しかし、結果は良かったですが、ハードコートの特性を活用して多彩な技で攻めてくる海外の選手に対しての対応策の検討、実施が今回も課題として残りました。
海外での試合を経験するごとに同じような課題を持ち帰り対応を検討、実施してきましたが、ハードコートへの不慣れさを克服しないと安定した実力が発揮できないのではないか、その為の対策を今回は痛感して帰国しました。

【選手感想 男子】

◆他国の選手はプレーに迷いが感じられず、やるべきことをしっかりと徹底的にやってくる
九島 一馬

国際大会に来て毎回思うことは、他国の選手はプレーに迷いが感じられず、やるべきことをしっかりと徹底的にやってくるということ。技量ではこちらに分があっても、やりきるという面で苦しめられた気がする。試合の流れを考えても、先に攻められることが多く、カウントが苦しくなり自分たちの力を発揮できずに終わってしまうというパターンが負ける試合では多いのではないかと感じた。国際大会だからこそ、いつも通り冷静に頭を使い、プレーすることが重要だと思った。
また、国内大会とは環境が大きく異なり、コンディションを整えるのが難しい。会場の雰囲気や利便性、宿舎での生活など苦労することが多い。事前に整えて臨むことはもちろんのこと、現地でもトップパフォーマンスを発揮するための準備をすることが重要。食事やリラックスする時間などを充実させることで、良い状態で試合に臨めると思った。
今回も国際大会に出場させていただいて、改めて良い経験ができた。目標である、代表で金メダルに向かって、この機会に感謝し、帰国後も競技に真摯に取り組んでいきたい。

◆ハードコートでの戦術・スキルの再構築の必要性を痛感
船水 颯人

今回のチャイナカップには、10月に当地で行われる世界選手権に向けての課題とテーマを持って臨みました。
チャイナカップ期間中は、スタッフの支えのおかげもあり、体調を崩す事なく、快適でストレスの無い生活をすることが出来ました。5日間の大会を通して、エントリーした3種別で優勝をすることができ、世界選手権に向けて収穫が多く、とても充実した大会にすることが出来ました。
しかし、更なるレベルアップに向けて、ハードコートでの戦術・スキルの再構築の必要性を痛感しました。世界選手権までは約4ヶ月ありますが、国別対抗はもちろん、個人での金メダル獲得に向けて今後、トレーニングも含めて重点的に取り組みたいと思います。
今大会での、たくさんのご声援ありがとうございました。

◆ナショナルチームメンバーとしてコートの状況、環境など色々とメンバーに伝えたい
鈴木 琢巳

チャイナカップは2回目の出場であり、以前に出場した時よりも結果が良かったことはそれだけ成長したと思っている。今大会で使用した会場は、今年の世界選手権が行われる会場であり、大会で使用するコートでもある。
今回代表には入れなかったが、ナショナルチームメンバーとしてコートの状況、環境など色々とメンバーに伝えられたら良いと思っている。
団体、ダブルスとも優勝したがミックス、シングルスが少し不甲斐ない結果に終わってしまった。今大会で感じたことは自分のスタミナ不足が一番であった。今後はスタミナ不足の改善をはかっていきたい。

◆選手一人一人がスタッフの力を借りてコンディションを調整し、実力を出しきることができた
中本 圭哉

今回のチャイナカップでは、全種別で日本チームが優勝することができました。
食事が合わない等でコンディション調整が難しい状況ではありましたが、選手一人一人がスタッフの力を借りてコンディションを調整し、実力を出しきることができ、良い結果を出すことができました。
また、海外選手との試合を経験することで、日本選手とは違う戦術にも触れることができ、自分自身のレベルアップにもつながる大会となりました。
このチャイナカップでの勢いを今年の世界選手権日本代表に繋いで、日本に1つでも多く金メダルを持って帰ってきて欲しいです。

【選手感想 女子】

◆日本選手と違って、海外の選手は戦術が徹底されており、今の自分に足りない部分
泉谷 朋香

今大会に参加して、海外の選手は特にハードコートに慣れている事もあり、国によって戦術が違うことを改めて実感しました。日本選手と違って、海外の選手は戦術が徹底されており、今の自分に足りない部分だと思いました。
特にハードコートで弾き出されたボールも踏ん張って打ち返し、体幹がぶれないのでコートにオープンスペースが少なかったのがすごく印象的でした。フィジカル面では海外選手を見習います。しかし、慣れないハードコート&ハードスケジュールな大会にも関わらず良い成績を残せれたのでこれからの自信に繋げていきます。
今大会学んだ事を無駄にせず、これからの大会にも生かしていきます。

◆大事なポイントで攻める気持ちをもう少し持つ事が課題
貝瀬 ほのか

今大会では国別優勝、ダブルス優勝、ミックスダブルス3位、シングルス3位という結果となりました。どの種別においても、攻撃と守備のメリハリを付けられたことが勝因と感じています。しかし、大事なポイントになると相手に合わせてしまう事が多く、ゲームを取り切れなかった事が敗因とも感じています。
今大会を通して多くの課題点が見つかりましたが、その中でも大事なポイントで攻める気持ちをもう少し持つ事が課題だと感じました。
今回の大会はあまり体調が優れていませんでしたが、その中でも結果を出せた事は自分の中では自信に繋がりました。しかし、自分の思うようなプレーが出来なかった場面もあったので、今回の経験を活かし体調が悪くなった時の準備もしていく必要があると感じました。
今回の経験を今後の全ての大会で活かしていけるよう精進して参ります。

◆課題は海外の選手のバックを見習って多彩なテクニックを身につけ、詰めの甘さをなくすこと
志牟田 智美

チャイニーズカップ女子の部には、日本・中国・中国の大学生・中華台北・北朝鮮が参加しました。海外の選手と試合をして感じた事は、自分のテニススタイルが決まっており、それを突き通してくる選手が多かったことです。印象的だったのが、バックのテクニックが多彩なのと、引っ張りのボールに角度をつけると角度をつけ返してくることでした。
私は今回の大会を通して、自分のプレーのレパートリーを増やすために、中ロブの性能を高めることを意識して臨みました。どの選手でも、定位置より走らされるボールの方が弱いのと、速いストロークより緩急のある配球の方が崩れます。結果は、初海外にしては良かったと思います。
今後の課題は、海外の選手のバックを見習って、多彩なテクニックを身につけることと、詰めの甘さをなくしていくことです。

◆海外の様々な特徴を持つ選手を試合の中で分析し、どう戦うべきかを考えて実践したことが勝因
大槻 麗

今回、日本代表として出場させて頂きました。まず、中国の気候は蒸し暑く、湿度が高いため、少し動いただけでも直ぐに汗をかき、また、食事も注意しなければならないため、水分不足や栄養不足にならないよう、こまめに水分補給や補食を摂るよう心掛けました。
サーフェスはハードコートで屋外と屋内があり、女子は主に屋内での試合となりました。見た目は綺麗ですが、ボールに埃が付きやすく、ボールが『ふく』ことがあるため、回転をコントロールする対応力が求められます。また、進行表はあくまで目安であり、コートが空き次第試合を入れていくため、試合が連続になることが多々ありました。少しの空き時間でも身体をリカバリーし、調整することが必要不可欠となります。
今回、各種別で日本が上位を独占できたのは良かったです。海外の様々な特徴を持つ選手を試合の中で分析し、どう戦うべきかを考えて実践したことが勝因だったと感じます。

◆今秋の世界選手権に向けて、強豪国を上回るテクニックや戦法が身につくように自分に挑戦
黑木 瑠璃華

今回の遠征で宿泊したホテルは部屋も綺麗で、食事も朝食は日本料理に近く、しっかり食べることが出来ました。しかし、ホテルに洗濯機がなく、手洗いで洗濯を行いましたが、時間もかかり大変でした。今年の世界選手権大会でも同じホテルを使用するようですが、効率よく洗濯出来るための用具を揃えることが必要だと感じました。
大会会場では、日本と異なりコート間に仕切りのネットが張られているため、コートサイドが狭く感じました。『やりにくいなあ』と感じましたが、これを逆手にとってサイドに絞るボールが有効ではないかと思いました。試合では自分の体調やプレーだけでなく、このようなコート環境も把握し、戦法を決めることが必要であると痛感しました。
試合には昨年のアジア競技大会の経験、また当地で行われる今年の世界選手権のことを頭に入れて試合に臨んだ結果、目標には届かなかったけれど、世界選手権に向けて課題整理もできました。特にハードコートにおけるスライスショットについては、ダブルス、シングルスのいずれにおいても、スライスショットを放つだけなく、その種類を多く持ち、場面に対応したショットを放てば攻撃の幅も増え、より優位にゲームを優位に進めていけると感じました。
今秋の世界選手権に向けて、強豪国を上回るテクニックや戦法が身につくように自分に挑戦し、試行錯誤しながらもその精度を高めていきたいと思っています。

◆理想の自分になるため、自信あるプレーをやりきる、さらにその精度を向上させることが大切だと気付く
尾上 胡桃

今回のチャイナカップは国別対抗戦のシングルス戦、ミックスダブルス、男女別シングルスの3種別に出場しました。今年の世界選手権の代表に選考して頂き、シングルスの試合ではハードコートで自分の力をいかにして発揮するかということを念頭において試合に挑みましたが、残念ながら国別対抗戦のシングルス戦では北朝鮮と中国の選手に負けてしまい、自分としてはいい結果を残すことができませんでした。
この敗戦を生かし、最終のシングルスでは背伸びすることなく、今の自分にできることを全力でやり切ろうという気持ちで試合に臨み、その結果、試合を重ねるごとに調子が上がり、優勝することができました。
今、大学院では理想と現実をどのようにして詰めていくかということを勉強していますが、理想の自分になる為には意識的に念頭にあるプレーを行うだけでは駄目で、自分の自信あるプレーをやりきる、更にその精度を向上させることが大切であるということに気付きました。
本番の世界選手権までもっと自分の描く試合ができるように、目の前の目標を決め、1つずつクリアしていきながら、ステップアップしていこうと思います。

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屋内と屋外のハードコートで行われたチャイナカップ。日本選手団は男女国別対抗を始め全7種別で優勝を飾った。

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