今年も11月下旬に宮崎市でStep-4の強化練習が行われました。
競技者育成プログラムはStep-1からStep-5まであり、今回行われたStep-4は最終段階に近いステージです。選手はいずれも全国から厳しく選び抜かれていますが、ここからさらに絞り込んで全日本U-14、U-17、U-20のメンバーになります。これがStep-5です。
ここでは、競技者育成プログラムの理念とStep-1からStep-5までの流れを改めてまとめておきます。このStep-4に集まった選手は日本のソフトテニス界の未来を担った若者ばかりであり、全国の指導者の素晴らしい指導によることを知っていただきたいと思います。
国際レベルの競技能力の開発を目指して、競技者の発掘・育成・強化の全体を通じた共通の理念と指導カリキュラムに基づいてそれぞれの時期に最適な指導を一貫して行うこと。また、ソフトテニス競技をより魅力のあるスポーツに育て、競技を通じて青少年の育成に寄与すること。
この理念を現実のものにするため、
①各年齢層のカテゴリーからなるU-14(アンダー14)、U-17(アンダー17)、U-20(アンダー20)等の育成。
②各カテゴリーの日本代表の強化。
③それらの活動を支える指導者やオフィサー・スタッフの養成を一体として、積極的、組織的に図る。
競技者育成プログラムを構成する
■一貫指導とは
国際的な競技者育成の動向等を踏まえ、トップレベルの競技者を育成するための指導理念や指導内容等を競技者の発達段階や技術水準に応じて明確にし、優れた素質を有する競技者にこの指導理念に基づく高度な指導を継続して行うこと。
■一貫指導システムとは
競技者の育成に重要なジュニア・ユース期の各学校段階での異なる指導者の下においても、一貫した指導理念に基づいて、個人の特性や発達段階に応じた最適の指導を受けることを通じて、トップレベルの競技者に育成されるように構築されたシステム。
①競技者育成プログラム(一貫指導システム)の理念と方法を理解し、競技者の年齢、技能、要求にあったその年代における最適な指導を行う。
②コミュニケーションスキルを身につけ、「プレーヤーの話を聞く」、「叱るより良い点をほめて伸ばす」、「教えすぎずプレーヤーに考える力をつけさせる」、「責任を持たせる」など、プレーヤーのやる気と自立心を育てるためのサポートをする。
③スポーツマンシップとフェアープレーに代表される、マナー、エチケットなど道徳的規範を身につけさせるためのサポートをする。
④プレーヤーが明確な目標を設定できるようにサポートする。
⑤ソフトテニスとの出会いをコーディネートする。
⑥ソフトテニスを継続できるようにサポートする。
⑦ソフトテニス仲間をつくるためのサポートをする。
⑧快適なソフトテニスライフを構築するための方法や内容についてのサポートをする。
⑨メディカルスタッフ、コンディショニングスタッフ、マネージメントスタッフなどと協力し、プレーヤーに対し最適な環境を提供する。
⑩自ら研鑽に努め、社会に評価される指導者を目指す。
Step-1 地域
近隣の市町村で、U-14、U-17などの(導入の段階は中学校単位、高等学校単位が始めやすい)合同の練習強化会を年間計画に基づいて開催する。
効果的なチーム編成として、1種別につき監督1名、コーチ1名、選手20名(50名を最大とする)を基本とする。ただし、使用する面数は1面10名を基本として運営する。
・公認上級指導員
・公認指導員
※指導者は各市町村地域の代表者の中から都道府県連盟が任命
Step-2 都道府県
Step-1の市町村におけるU-14、U-17の強化練習会や強化合宿によって選ばれた強化対象の指定選手は、もうひとつ広域的で、もう一段グレードの高い、例えば県の強化練習会・強化合宿で合同練習を行う。今までの国体強化や小学生・中学生の都道府県対抗大会に向けての選手選抜・強化練習会等がこれに相当する。地域によっては、この都道府県レベルから、実際の強化活動を始めるところもある。
効果的なチーム編成として、1種別につき監督1名、コーチ2名、選手20名(50名を最大とする)を基本とする。ただし、使用するコート面数は1面10名を基本として運営する。
・公認コーチ
・公認上級指導員
・公認指導員
※各都道府県連盟が任命
Step-3 ブロック
さらに県を代表する数名の選手は、もうひとつ上の地域(ブロック)レベルの強化練習会に参加する。年間に1回、ブロックごとでの強化練習会を行い、そこでさらに年齢別カテゴリーの中より全日本U-14、U-17、U-20選考会に選出するブロック推薦選手を選考する。
この時点で、各都道府県から選出されるわけでなく、同一都道府県から複数名選ばれることもあれば逆に選ばれないこともある。それに対して、各都道府県支部の強化方法を精査する必要が出てくる場合も考えられる。
また、U-20に関しては、一般、大学、高校、中学から下限年齢制限を設定せず、全日本U-20選考会への推薦選手を選考する。(19歳以上の選手については、全日本社会人選手権大会、全日本学生選手権大会、JOC杯・全日本ジュニア選手権大会の大会結果等により推薦選考を行う)。
・公認上級コーチ
・公認コーチ
※各支部の代表者の中から日本連盟が任命
Step-4 全日本U-14、U-17、U-20選考会
各ブロック推薦選手+日本連盟推薦選手(=各大会上位入賞者)
各ブロックから選考された選手と日本連盟の推薦選手(注1)によって、各カテゴリーにおいて、オーディション型選考を行い、技術のみではなく、身体・運動能力・フィットネステスト(持久力・筋力・柔軟性・瞬発力・敏捷性・調整力)・心理的要素等の総合的な見地により選考し、全日本の選手を決定する。
各カテゴリーより選ばれた全日本の選手は、積極的に国際試合を経験させ、自覚と経験を積ませ、将来の日本代表へとつなげていきたいと考えている。
(注1) 全日本大会でのベスト4入賞者(全日本小学生選手権大会、全国中学校大会、全日本高校選手権大会、全日本学生選手権大会、全日本ジュニア選手権大会など)。この推薦選手を入れることによって、実績も考慮されることになる。
Step-3からStep-4への推薦者数
・1カテゴリーの約40人~45人
・内訳基準:該当する層別の会員登録者数、支部数、支部内の大会参加人数等
◆1カテゴリーの内訳(U-14、U-17)
関東、九州………5名×2ブロック(計10名)
北海道・東北、北信越、近畿、中国……3名×4ブロック(計12名)
四国、東海………2名×2ブロック(計4名)
各種全日本大会での上位入賞者(2、3位等)の日本連盟推薦出場枠を設ける(12名以内)
◆1カテゴリーの内訳(U-20高校3年生対象)
北海道・東北、関東、近畿、九州……2名×4ブロック(計8名)
北信越、東海、中国、四国………1名×4ブロック(計4名)
各種全日本大会でのベスト4入賞者の日本連盟推薦出場枠を設ける
Step-5 ナショナルチーム、全日本U-14、U-17、U-20
ナショナルチームは、必要に応じて全日本U-14、U-17、U-20より選考して招集することができる。
優秀な人材を早期に発掘し (U-14)、将来を見据えて育成(U-17)、国際大会で戦えるよう強化する(U-20)。そして、日本代表として戦っていけるのが理想と言える。
●ナショナルチーム
選手:男女約20名
スタッフ:3名(監督・コーチ・トレーナー)
出場大会:国際大会代表(アジア競技会、東アジア競技会等)
●全日本U-20
選手:男女各20名
(インターハイ優勝ペア、JOC杯U-20優勝者を含む)
スタッフ:4名以内(監督・コーチ・トレーナー)
年齢:下限年齢制限無~20歳
出場大会:国際ジュニア大会(日・韓・中ジュニア交流競技会等)
●全日本U-17
選手:男女各20名
(全国中学校大会個人戦優勝ペア、JOC杯U-17優勝者を含む)
スタッフ:4名以内(監督・コーチ・トレーナー)
年齢:15歳~17歳(中学3年~高校1・2年)
出場大会:国際ジュニア大会(日・韓・中ジュニア交流競技会等)
●全日本U-14
選手:男女各20名
(全日本小学生選手権大会優勝ペア、JOC杯U-14優勝者を含む)
スタッフ:4名以内(監督・コーチ・トレーナー)
年齢:10歳~14歳(小学高学年~中1・2)
出場大会:国際ジュニア大会
・公認上級コーチ
・公認コーチ
※日本連盟が任命
記事提供:日本ソフトテニス連盟<機関紙2017年12月号より>
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